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recipe 囁き

子供をあやしてる黒蜜に女が
関わったりしてないよね黒蜜と
顔を近づけ黒蜜の瞳の奥を覗き込んだ
黒蜜は一瞬瞳孔が開き動きが固まったが
涼しげな笑顔を浮かべ
そんな事はないですよと
さらっと流した
そう?それならいいけど
子供に視線を変えた女が
千鶴お団子食べ終わった?
美味しかったよ
女を見上げた子供の口から言葉が漏れる
食べ終わったらごちそう様でしょう
ごちそうさま
子供は親の声を模倣して言葉を憶えるのだろうか
そんな疑問が横切った
さあ帰ろうか千鶴
子供が黒蜜の腕から離れ
女の足元に寄り添った
じゃあねと言葉を残して
小さな手を振り続ける子供と
女の距離が遠ざかる
2人の姿から視線を外した黒蜜が
そろそろ私も行かなきゃ
腰を上げて
視線を向けた
いっぱい御馳走になっちゃいましたね
ありがとうござます
頭を下げる
黒蜜
何ですか?
大事な事を言葉にしようと想うのだが
上手く思考が纏まらない
黒蜜の視線がじっと顔に張り付く
一つ言い忘れた事を想いだした
オレはな生きた人間を棺桶に入れて
埋めるような事はしない
埋めるのは死んだ人間だけだ
これはオレの仕事の作法だ
だが
運ぶだけなら話しは別だ
誰にも気ずかれず
棺桶に入れて運ぶだけならな
耳を傾けていた
黒蜜が
顔を近づけて耳元で
やっぱり優しいんですね
そう囁いた
少しだけ
ぞくっとするような囁きだった
後2日此処に泊まるから
どうするか自分で決めろ
黒蜜は
もう決めましたから
そう言って
おれの瞳を覗き込み
微笑みを残して立ち去った
後には夕暮れが近づく空の下の
静かな風景だけが残っている
もう決めましたから
受け入れたとも
拒否したとも
取れる
どちらを決めたのだろう
何れにしても
女って奴は一度決めたら
迷わない
誰の言葉だったかな
残りの酒を静かに喉に流し込んだ

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