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recipe 残酷

集会所の空き地に椅子を円形に並べて
コウジを含めた6人は座って居る
11人だ決まってるのは
何れも20代だが
一人だけ10代の女が居る
追加でもう一人入るかもしれんが
あまり期待はしてない
コウジの説明を耳にした従者の一人で在る
タイチがそれで暫くはと言い掛けて
口元に歪んだ笑みを浮かべた
そういう事だコウジが言葉を続けた
人数も揃った事だし
これ以上此処に踏み止まる
意味は無くなった
出発は明後日の予定に決めた
コウジは従者の連中を見渡して
声のトーンを落として
解ってるとは想うが
それまでに下手を打つなよ
全員が無言の頷きで応えた
コウジに視線が集中してる中
テツオが視線を外し
足音がと声を告げ
背後を振りむいた
こんなとこで会議中だったのか
声の主はタケシだった
タケシどうしたんだ愛想の笑顔を浮かべたコウジが声を掛ける
その後の様子はどんな感じか気になったんでな
コウジは周りに居る従者の連中に視線で
簡単な意志を伝えた
それぞれは腰を上げて静かに立ち去った
タケシに視線を一度も合わせる事無く
タケシは彼らの背中を眺めて
良く飼い慣れされてる連中だと言葉を漏らして
コウジに向き直った
座ったらどうだとコウジに椅子を勧められて
コウジの横にタケシは腰を降ろした
先程の質問に対しての応えだがと
コウジは切り出した
以前話した通りの人数で10人が行く事になってる
若い連中ばかりだ
一人予定外だったのが10代の女が混じってる
タケシの表情が一瞬曇った
誰だそれは
カンスケのところの娘で黒蜜って名だ
まあ此処だけの話しだが
生活に困ってるんで買ってくれと頼まれたんだ
カンスケが言うには子供はまだ4人も居るし
これからも金が掛かる
今居る娘に嫁にでも行かれたら
それはそれで結納やなんやかやと金もかかる
とてもじゃないが今日を暮らすだけでも難儀しとるのに
それこそ災難だ
それに此処まで育てるのも只じゃなかった
なんとかならんかとな
頼まれたんだ
お前ならそういう道も知っとろうがと
そう言った後カンスケはな
こう言ったんだ
オレの眼をじっと見てな
若い女なら高く売れるんだろ
コウジは一度視線を下に向けた後に
カンスケがどういう男かは良く知らんが
奴は一つだけ真実を語った
若い女を高く売る
タケシは気分の悪い話しだと低く呟いた
なあタケシ貧困ってのはな
醜くくとても残酷なんだ
自分の娘でも金に成ると想えば
簡単に売ってしまう
そんな事をするのはカンスケだけじゃあない
此処の集落では奴だけだが
幾らでも居るそういう奴は
タイプや事情は様々だが
共通してるのは
金を受け取る時
地面にこすり付けるくらい頭を下げて喜ぶ
カンスケも同じだった
涙を流さんくらいに喜んでいるんだ
だけどなそれは
オレに頭を下げてるんじゃないんだ
金に頭を下げてるんだ
神様ありがとうございます
あれと同じようにな


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