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recipe 現実の話


アナタならどうしたの
今度は妻からの質問だった
オレなら同じだな
眺めてるだけだ
大勢の中に混ざるなんてぞっとする
それにしても変わったやつだな
沢山の土産物を配るなんて
余程余裕があるんだな
妻は耳を傾けながら
本物の余裕のある人はね
そんな見せかけの振る舞いはしないものよ
アレはね偽物が本物らしく見せようとしてる行為なのよね
そういうモノなのか?
そういうものよ
意味があるのかな?あの行為は
妻は少し間を置いて
海でね漁をする時にね
撒き餌をやるの
魚をね一つの場所に集める為に
一定の期間餌を撒くの
最初は少なかった魚も
そこが餌場だと想ってね
大量に集まるようになるの
撒き餌をした以上の魚がね
それを網で収穫するのよ一気にね
其処の魚が居なくなるまでね
その場所で魚が取れなくなれば
撒き餌の漁は終わりなの
場所を変えて別の場所でまた餌を撒くの
収穫の為の罠なんだな
しかし
こんな山奥の集落で餌を撒いても
大した収穫はなさそうだけどな
お金持ちが居る分けでは無いし
妻は耳元に口を近づけ
囁くように
人がねお金に成るのよ
冗談だろっと想ったが
妻は真顔だった
解りやすく言えば
奴隷として売るのよ
そんな話しは都市伝説かと想ってたよ
現実の話しよ
だから連中に近寄らないようにね
解ったよ
時間の経過と共に集落の殆どの人は連中を受け入れ
夕暮れが過ぎると集会所での宴会が日常になった
酒や肴を摘まんでの騒ぎは夜更けまで続く
猟師の仲間に幾度か誘われたが
酒と騒ぎは苦手なんだと断り続けた
付き合いの長い連中なので
それ以上の無理を言う事は無かった
そんな中で
狩猟の帰りに集落の外れに一本の大きな桜を眺めて居る時に
ミキオと出逢った
ミキオは3才年下で子供の頃からわりと親しかった
控え目な性格であまり騒いだりしないところが性格の波長があったのだろう
少し疲れた雰囲気を漂わせたミキオは
タカオさん猟の調子はどうですか?
暮らして行ける程度には獲れてるよ
ミキオは?
秋に獲った鮭もそこそこ売れたし
かんずりの売上もあるから生活は
苦しくないんだけど
連中が来てから生活のリズムが狂ってちょとね
付き合いで連れて行かれてるミキオの姿が思考に浮かぶ
断ればいいんだよミキオ
なるべく断るようにしてるんだけどね
周りが結構感化されててね
連中のとこに行くのが日課であり楽しみになってる
そこに行けば何か楽しい事があるみたいな想像を持ってるんだ
そういうイメージを植え付けられたんじゃないのか?
それは在るかもね
実際には酒飲んで美味いもの食べて騒いでるだけだろ?
そんな感じそれと賭け事もね
最初はね連中は負けてたんだけど
最近では勝てなくなってる
タマに誰かが大勝ちをしてりはするけどね
ミキオそれは連中の手の内で踊らされてるんだよ
たぶんそうなんだろうけど
誰もが嵌って止められなくなってる
ミキオもそれをやってるのか?
オレはやらないよ
ばあちゃんがうるさいんだ賭け事だけは手を出すなってね
年齢の割にはでかい体格のミキオの祖母の顔を想いだした


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